攻撃に関する研究史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/12 14:57 UTC 版)
「攻撃 (戦術論)」の記事における「攻撃に関する研究史」の解説
攻撃を成功させるための条件として、火力の集中だけではなく、しばしば敵に対して体系的な機動を行うことが挙げられる。フォラールは戦闘を左右する要素として火力に留意しながらも、より突撃力の威力を重視していた。そしてギリシア・ローマの戦史研究を通じて迅速かつ強力な打撃を与えるために、敵の戦闘陣の中央を突破できる縦隊が望ましいと分析している。機動を重視する学説はギベールによっても支持されており、彼は部隊編制、戦闘陣、行軍の方式を見直して可能な限り部隊の機動力を向上させるべきだと考えた。そのことで様々な状況に応じて敵に迅速に先制攻撃を行うことを目指していた。 一方でモルトケは攻撃の理想的なあり方として防御によって敵を撃退した後に包囲殲滅戦を実施することを主張し、そのために各部隊が協調を維持させようとした。モルトケの後にシュリーフェンも敵の側背を志向する攻撃、すなわち包囲こそが攻撃の原理であると繰り返し主張している。一方で敵と正面から対決して突撃や包囲を行うのではなく、リデル・ハートにより間接的な攻撃である迂回の有効性が主張される。いずれの議論でも攻撃においてどのような機動を選択するかが中心的な論点となっている。
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