摂動論とフォノン間相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:14 UTC 版)
「フォノン」の記事における「摂動論とフォノン間相互作用」の解説
格子の位置エネルギーは各原子の平衡位置からの変位についてベキ展開できる。 もし2次の項までとれば、格子振動が調和振動と見なすことができ、フォノン間に相互作用はない。 3次および4次の項が比較的小さく摂動とみなせる場合は、これらを調和フォノンの生成消滅演算子を用いて表すことができる。非調和振動の影響が大きくなると、3次および4次の項によってフォノン間に相互作用が働き、フォノンの生成や消滅が起こる。3次の項は3つの演算子の積で、1個のフォノンが2個のフォノンに崩壊するような過程を記述する。4次の項は2個のフォノンの衝突や、1個のフォノンが2個のフォノンに崩壊する過程などの過程を記述する。 温度がデバイ温度よりはるかに高いときは、非調和性の効果が大きくなり、摂動論が適用できなくなる。よって調和近似で考えたフォノンは、素励起としての意味を失う。
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