我らの父 (デュリュフレ)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 我らの父 (デュリュフレ)の意味・解説 

我らの父 (デュリュフレ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/07/11 11:05 UTC 版)

モーリス・デュリュフレの『我らの父(Notre Père)(または『主の祈り』)は、教会でのミサおよび礼拝に際して歌われるための賛美歌無伴奏合唱版、オルガン伴奏版がある。作品番号14、1976年作曲。デュリュフレが作曲した最後の曲である。デュラン社より出版。楽譜冒頭には「我が妻に」と書かれ、妻のマリー=マドレーヌ・デュリュフレに献呈されている。

歌詞はキリスト教のほとんどの宗派に共通する「主の祈り」である。フランス語を第一に想定して作曲されているが、デュラン社の出版譜には英語の歌詞も併記されている。この他にドイツ語歌詞の楽譜も存在する。

グレゴリオ聖歌を元にした作品を多く手がけてきたデュリュフレのその他の曲と同様に、韻律を重視した変拍子により小節ごとの拍子の変更が多いが、フランス語の韻律に違和感なく当てはまっているため、フランス語話者にとって歌いやすく出来ている。

無伴奏合唱版は合唱のコンサートのレパートリーとして取り上げられることも多く、その場合は同じデュリュフレの『グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット』(作品番号10)と共に歌われることが多い。またデュリュフレが長年オルガニストを務めたパリのサンテティエンヌ・デュ・モン教会をはじめとするフランス語圏の教会では、ミサの最中において実際にこれを歌うこともある。その場合はオルガン伴奏がつき、専属の合唱団は四部合唱で歌うが、一般会衆はメロディ部分を斉唱で歌うのが通例である。

デュリュフレは1966年付けのル・フィガロ紙に「私は『サン・サン・サン!』(とフランス語で歌うミサ)のための音楽は今後一切書くに至らないことを明言する」と書いており、この文章以外にもたびたびラテン語によるミサとグレゴリオ聖歌への偏愛とその衰退への嘆きを述べているが、生涯最後に書いたこの曲は、フランス語による典礼のための曲であった。デュリュフレ夫妻は1975年に瀕死の交通事故に遭遇し、デュリュフレは以後ほとんど満足な演奏活動が出来なくなってしまった。この曲は事故から回復したのちの唯一の作曲である。

なお曲の最後の歌詞は「我らをこころみに遭わせず悪より救い出したまえ」で終わっており、「国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり」の部分は基本的には歌わずに言葉として唱える。これはルカによる福音書の中にある「主の祈り」の元となったイエス・キリストの言葉には本来その行は含まれないことと、カトリックのミサではその行の間に司祭の言葉が挟まる手順があるためである。


「我らの父 (デュリュフレ)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「我らの父 (デュリュフレ)」の関連用語

我らの父 (デュリュフレ)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



我らの父 (デュリュフレ)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの我らの父 (デュリュフレ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS