成熟/溶解タンパク質A2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 15:34 UTC 版)
「バクテリオファージQβ」の記事における「成熟/溶解タンパク質A2」の解説
すべてのプラス鎖RNAファージは成熟タンパク質をコードしており、宿主の線毛とウイルスRNAに結合する機能を持つ。 成熟タンパク質のアンバー変異体は宿主に感染できないか、「未成熟」であるため、成熟タンパク質と名付けられている。近縁のプラス鎖一本鎖RNAバクテリオファージMS2の場合、成熟タンパク質はウイルスRNAとともに宿主に取り込まれることが示され、その後成熟タンパク質が切断される。 MS2では、成熟タンパク質はウイルスRNAの最初のオープンリーディングフレームにあることからAタンパク質と呼ばれる。 Qβにおいては、Aタンパク質はビリオン内により豊富にあり、感染にも必要であるため、当初はA1であると考えられていた。 しかし、Qβの配列が決定されると、A1は終止コドンの読み飛ばしのリードスルータンパク質であることが明らかになった。 A2はQβの成熟タンパク質であり、さらに溶菌タンパク質の機能を持つ。 溶菌のメカニズムはペニシリンのメカニズムと似ており、A2は、細胞壁生合成における最初の酵素反応を触媒するMurAに結合することにより、ペプチドグリカンの形成を阻害する。
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