愛知大学山岳部薬師岳遭難事故とは? わかりやすく解説

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愛知大学山岳部薬師岳遭難事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 15:38 UTC 版)

愛知大学山岳部薬師岳遭難事故(あいちだいがくさんがくぶ やくしだけそうなんじこ)は、1963年昭和38年)1月に富山県薬師岳で発生した遭難事故。登山中の愛知大学山岳部員13名が死亡した。


注釈

  1. ^ メンバーは4年生2名と2年生5名・1年生6名。3年生がいないことと他の高学年生が出発直前になって参加を中止していることを訝しむ指摘もある[1]が、この年の山岳部(21名)は3年生部員がおらず当初は20名で参加する予定であったものが4年生部員4名を含めた6名が就職活動や家の事情で参加を断念したもので、またそうした構造上の問題から4年生部員は卒業後のことを2年生部員に引き継がなければならなかったとする指摘もある[2]
  2. ^ 作家の春日俊吉(1897-1975)は、結果論からして「無駄な努力に終わった」だろうとしつつも、こうした登山パーティが山に持参する食料は10日-14日程度であるにもかかわらず、大学側が1月14日になって捜索願を出したとしても県警側は戸惑うしかない、として大学側の対応を批判している[5]。ただし、山岳部が事前に決めていた予備日のリミットが1月13日とされており、その日のうちに大学関係者が現地に行って13名が下山していないのを確認していることから[6]、適切か否かはともかく事前計画に沿ったものであったと思われる。
  3. ^ 全員無事に帰還した日本歯科大パーティーが2日間太郎小屋に釘付けにされ、更に下山に5日間かかっていることが吹雪とその後の厚い新雪が下山の障害になったことをうかがわせる。

出典

  1. ^ 春日俊吉『山と雪の墓標 松本深志高校生徒落雷遭難の記録』有峰書店、1970年、P139-140・156-157.
  2. ^ 羽根田治 『山岳遭難の傷痕』山と渓谷社、2020年 P.200-201・235-236.
  3. ^ 「大山町史」第4章大山の近現代 p704 大山町史編纂委員会編 1964年発行
  4. ^ 大矢康裕(著)・吉野純(監修)『山岳気象遭難の真実 過去と未来を繋いで遭難事故をなくす』山と渓谷社、2021年、P221.
  5. ^ 春日俊吉『山と雪の墓標 松本深志高校生徒落雷遭難の記録』有峰書店、1970年、P145-146.
  6. ^ 羽根田治 『山岳遭難の傷痕』山と渓谷社、2020年 P.207.
  7. ^ a b c 「大山町史」 p705
  8. ^ マス・コミ空中戦:事件記者物語 新聞・放送の舞台裏秘話 藤田清雄著 CiNii 2017年2月15日閲覧
  9. ^ 羽根田治 『山岳遭難の傷痕』山と渓谷社、2020年 P.230-231.
  10. ^ クラブ・サークル(豊橋キャンパス)-ワンダーフォーゲル部、愛知大学
  11. ^ 富山大百科事典編集事務局編『富山大百科事典』下巻、北日本新聞社、1994年、169-171頁。
  12. ^ 富山大百科事典編集事務局編『富山大百科事典』下巻、北日本新聞社、1994年、169-170頁。
  13. ^ 「悲劇風化させない 薬師岳愛知大生遭難60年 同窓会犠牲13人慰霊」『北日本新聞』2023年8月6日付、17面。
  14. ^ 五十嶋一晃『越中薬師岳登山史』p231 五十嶋商事有限会社 2012年
  15. ^ 愛知大学山岳部薬師岳遭難誌編集委員会編『薬師』愛知大学 1968年,pp.140-141
  16. ^ 春日俊吉『山と雪の墓標 松本深志高校生徒落雷遭難の記録』有峰書店、1970年、P136-137.
  17. ^ 大矢康裕(著)・吉野純(監修)『山岳気象遭難の真実 過去と未来を繋いで遭難事故をなくす』山と渓谷社、2021年、P222-228.


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