想定されていた商業打ち上げ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 08:57 UTC 版)
「H-IIBロケット」の記事における「想定されていた商業打ち上げ」の解説
H-IIBはHTVだけでなく静止衛星の打ち上げも想定していた。静止トランスファ軌道(GTO)への投入能力は8 tで、商業打ち上げで大きなシェアを持つアリアン5に近い能力である。アリアン5ECA型の静止トランスファ軌道へのペイロードは10 tで、2機の静止衛星を相乗りで搭載して打ち上げることが多く、H-IIBも4/4D-LC型フェアリングを使用して静止衛星を2機搭載することが想定されていた。 H-IIA202型を2機打ち上げる際の費用は合計で170億円だが、GTO投入能力は合計8.2 tでH-IIB1機とほぼ等しい。一方、H-IIB1機の予定打ち上げ費用は110億円とされており、H-IIB1機で2機の静止衛星を相乗りで打ち上げれば費用が3割から4割減となる。H-IIB3号機以降は極低温点検が省略されたことで費用が7億円削減されて、4号機からは打ち上げが三菱重工業に移管され商業打ち上げロケットの選択肢に加わることから、価格競争力の強化が期待されていた。一方、アリアン5が衛星2機の相乗り打ち上げを円滑に行えるのは多数の受注残を抱えているためであり、衛星打ち上げの受注数が少なければ衛星側の日程調整が困難になると予想されていた。
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