惑星Xへの反証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/05 05:33 UTC 版)
宇宙探査機パイオニア10号・11号、ボイジャー1号・2号によって、ローウェルが仮定した惑星Xの存在は二つの面から否定されている。第一に、これらの探査機が外惑星の近くを通過した際に惑星から受けた重力による加速度の値から、これらの惑星の質量が高精度で求まった。これによって、地上観測に基づく計算から得られていた外惑星の質量は最大約1%小さかったことが明らかになった。この修正された質量に基づいて外惑星の軌道を決定することで矛盾は解消した。 第二に、これらの宇宙探査機の軌道からは、太陽系内にある未発見の大きな惑星の重力を考えなくてはならないような誤差は検出されなかった。多くの天文学者はこの事実から、惑星X仮説は役割を終えたと考えた。もっとも、天体の質量が小さい場合にはこの手法では検出できず、外惑星の軌道にも目に見えるような影響を与えないので、地球と同程度の質量を持つ天体が存在する可能性は依然として排除されていない。
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