微分方程式による証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 14:17 UTC 版)
「オイラーの公式」の記事における「微分方程式による証明」の解説
証明 — 微分方程式を用いた証明を示す。x を実数、x の関数 f (x) を以下のように定義する。 f ( x ) = cos x + i sin x . {\displaystyle f(x)=\cos x+i\sin x.} また記法を簡潔にするために補助的な方程式 y = f ( x ) {\displaystyle y=f(x)} によって y を定める。これらをまとめると以下の方程式を得る。 y = cos x + i sin x . {\displaystyle y=\cos x+i\sin x.} (1) (1) に x = 0 を代入すると y = cos 0 + i sin 0 = 1 {\displaystyle y=\cos 0+i\sin 0=1} (2) を得る。(1) の両辺を x について微分し、両辺に虚数単位 i を掛けると以下のようになる。 i d y d x = − i sin x ⏟ d cos x d x = − sin x − cos x ⏟ d sin x d x = cos x {\displaystyle i{\frac {\mathrm {d} y}{\mathrm {d} x}}=\underbrace {-i\sin x} _{{\frac {\mathrm {d} \cos x}{\mathrm {d} x}}=-\sin x}-\underbrace {\cos x} _{{\frac {\mathrm {d} \sin x}{\mathrm {d} x}}=\cos x}} (3) (3) と (1) より d y d x = i y {\displaystyle {\frac {\mathrm {d} y}{\mathrm {d} x}}=iy} (4) を得る。任意の 0 でない複素数 α について、関数 eαx は次の関係を満たす。 d d ( α x ) e α x = e α x . {\displaystyle {\frac {\mathrm {d} }{\mathrm {d} (\alpha x)}}e^{\alpha x}=e^{\alpha x}.} (5) (4) と (5) を見比べ、α = i と置き換えれば、f(0) = 1 より y = e i x {\displaystyle y=e^{ix}} (6) が成り立つ。最後に (1) および (6) から y を消去すればオイラーの公式が得られる。 e i x = cos x + i sin x . {\displaystyle e^{ix}=\cos x+i\sin x.}
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