従来の下り線橋梁の老朽化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:32 UTC 版)
「富士川橋梁 (東海道本線)」の記事における「従来の下り線橋梁の老朽化」の解説
1910年(明治43年)の複線化の際に完成した下り線のトラス桁は、アメリカ製のピントラス(ピン結合で組み立てられたトラス桁)であり、このタイプのトラス桁に用いられているアイバーは、老朽化の進展で各地の橋で折損事故が相次いでおり、富士川橋梁でも1953年(昭和28年)6月に下り線第2径間の斜材のアイバー折損が発生したが、早期に発見できたため大事には至らなかった。こうした老朽化していたトラス桁が東海道本線の主要な河川に残存していたことは、輸送力増強の大きなネックとなっていたが、戦争の影響で保守が行き届かなかった施設をまだ数多く抱えていた国鉄では、大規模な更新を先送りしていた。実際に富士川橋梁の取り替えに着手するにあたっては、政府機関から不要ではないかとの指摘があったため、新聞記者を招いて古いトラス桁を列車が通過するときの異常音を聞かせて新聞報道につなげ、これを後押しに富士川橋梁以外のトラス桁も更新にこぎつけたという。
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