後世の検証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/06 18:30 UTC 版)
リウィウスの記述が全面的に正しいかは定かでなく、ポプリコラ自体もほとんど伝説上の人物である。そのため、研究家の中には、プロウォカティオは確かに存在しただろうが、その確実な法的根拠は三回目の制定である紀元前300年の法に拠るとする者もいる。 更にプロウォカティオの権利は、判決を下した執政官がその控訴を取り上げなかったとしても罰則はなく、その名誉を失うだけだという。モムゼンはこのウァレリウス法を、執政官が継承した強大な王権を制限する一環であろうとし、必ずしも従う必要がない事は、その王権の削減が法的に難しい事の現れであろうとしている。 紀元前300年前後はプレブスの身分闘争が激化していた時期でもあり、同時期にプレブスの神官職就任を認めたオグルニウス法なども成立している。そのため、このプロウォカティオもパトリキによる一方的な重罪判決を防ぐ事を狙いとした身分闘争の一環であり、正当性を強調するためにその起源を神話の時代にまで付け加えていった可能性もあるだろう。
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