建造の事情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 08:32 UTC 版)
「石闕」とは神を祀る廟の入口に建てられた装飾的な門柱のことである。嵩山は現在の河南省にある霊山の一つで、東峰を「太室山」、西峰を「少室山」と呼びならわし、古くから信仰の対象とされていた。古く太室山の麓に「太室」、少室山の麓に「少室」という廟があり、その2つの廟と太室に隣接していた「開母廟」に建てられた石闕の銘文が「嵩山三闕銘」である。 太室石闕銘は、碑文によれば元初5年(118年)4月に陽城県令の呂常という人が建造したことが分かっている。その後延光4年(125年)に潁川太守の朱寵という人が追刻したと見られている。 少室石闕銘は、碑文に直接年代は見当たらないものの、次の開母廟石闕銘と共通する部分があることから延光2年(123年)頃の建造と見られる。建造者は陽城県の人物であるということは分かるが、名までは不明である。 開母廟石闕銘は夏王朝の創始者・禹の妃を祀った廟のもので、廟名は禹の妃=2代目の帝・啓の母であることから「啓母」となるところを、前漢の景帝の諱を避けて同じ意味の「開母」としたものである。銘文によると延光2年(123年)に潁川太守の朱寵という人が建てたものと分かる。
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