平衡の導出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 15:12 UTC 版)
「ハーディー・ワインベルクの法則」の記事における「平衡の導出」の解説
個体群内に対立遺伝子Aとaがあり、A遺伝子の遺伝子頻度(遺伝子プールに占める対立遺伝子の割合)を p、a遺伝子の遺伝子頻度を q とする(p+q=1)。この個体群が作る次世代の個体群の遺伝子型の分離比は AA:Aa:aa=p2:2pq:q2 となる。遺伝子型がAAとなるのは、遺伝子プールから集めた2個の対立遺伝子が両方ともAだった場合で、そうなる確率は p×p=p2 になる。遺伝子型がAaとなるのは、集めた2個の対立遺伝子がAとaそれぞれ1個ずつだった場合だが、この場合は、母親からAをもらってAaになる場合と、父親からAをもらってAaになる場合の2通りがあり、その結果分離比は 2pq になる。 この次世代集団のA遺伝子の遺伝子頻度を p'、a遺伝子の遺伝子頻度を q' とする。p' を算出するための分子を与える遺伝子プール内のA遺伝子の総数は、遺伝子型AAの個体が2個ずつ、Aaの個体が1個ずつのA遺伝子を持つので、p2×2+2pq×1=2p に個体数 N を乗じたものであり、分母である遺伝子プール内の遺伝子の総数は、各個体が2つずつ対立遺伝子を持つから 2Nである。したがって、次世代のA遺伝子の頻度は p'=2pN/2N=p となる(a遺伝子も同様の議論により q'=q を得る)。 次世代集団で遺伝子頻度が不変であるから、ここから再び次の世代を構成しても遺伝子型頻度は不変であり、どちらの頻度も将来にわたって一定に保たれる。
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