平曲の構成と音楽的特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 04:31 UTC 版)
平曲は、「曲節」と称される類型的な旋律の組み合わせによって構成されている。そのうち、旋律をともなわない語りの部分は「語り句」、旋律をともなう句は「引き句」と称される。 「語り句」には、素声(しらごえ)、ハズミの2種がある。 「引き句」は、 「口説(くどき)」の類 「拾(ひろい)」の類 「節(ふし)」の類 に分類される。 「口説」類は、1つのシラブルに1音をあてて作曲され、四度ないし五度程度の音程を上下する比較的単純な旋律をともなうものであり、「拾」類は、シラビックではあるものの「口説」類に比較すると、より複雑で数多くの音を用いるものであり、「拾」のほか「上音」「下音」などと称される旋律をふくむ。「節」類は、旋律の聴かせどころとなる部分であり、多くの場合メリスマとなって、「三重」・「中音」・「下り」などと称される旋律をふくんでいる。 これらの曲節は、具体的に例示すると、合戦場面で拾、一曲のクライマックスとなる韻文箇所では三重、和歌の部分では上音や下音など、詞章の内容や一曲における位置などに応じて互いに異なる曲節同士を組み合わせて全体を表現する。そして、こうした曲節と曲節のあいだを結びあわせる地の部分には口説が用いられる。
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