岩石理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/14 23:58 UTC 版)
「岩石理論」とは「斜面で止まっていた岩石を押して転がすと加速して止められなくなり、すごい速さで転がり斜面の下の住民を押し潰してしまう」というものであり「デフレからハイパーインフレへ瞬間的に変化する」という理論である。 「日本でインフレ目標を含む大規模な金融緩和政策をとった場合、ハイパーインフレが起こる」という反論とは逆に、「日本銀行は果敢に金融緩和を行ったが、デフレの鎮圧に効果はなかったので、これ以上の緩和を行なっても意味がない(=インフレは起こせない)」という反論を寄せる識者もいる。 インフレターゲットがハイパーインフレを生むという懸念について、ポール・クルーグマンは「価格の安定とハイパーインフレとの二者択一しか頭にない人が多い。私の主張する、緩やかなインフレとジンバブエのハイパーインフレでは、まったく違う。しかし、多くの人々はその区別がつかない。実際に経験したわけでもないのに、ちょっとインフレになれば、彼らはもう滑りやすい坂道を転げ落ちて収拾がつかないことになると思ってしまうわけである。実際にはそうはならないのに、人々は極端に悪いイメージを飛躍的に抱く」と指摘している。 原田泰は、「金融緩和を続けていればインフレになり、ジンバブエのようなハイパーインフレになってしまうという批判がある。だから途中でやめなければならない。インフレターゲット政策とは、金融緩和を途中でやめるための政策である」と指摘している。 高橋洋一は、「インフレ目標は先進国で採用されているが、ハイパーインフレになった国はない」と指摘している。岩田規久男、片岡剛士も同様の主張をしている。 「量的金融緩和政策#ハイパーインフレ懸念」も参照
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