実験による発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/22 23:37 UTC 版)
アメリカのパールは1920年代に、人口論の研究を基礎づける実験としてショウジョウバエの個体数増加について研究した。瓶に餌として一片のバナナをいれ、これにショウジョウバエをいれて個体数増加を見たところ、個体数は当初は素早く増加するが、次第にその増加率は下がることを発見した。これをグラフにするとS字曲線を描く。当初は瓶の中の餌は最初にほうり込んだのをそのままにしたので、餌の不足が原因との可能性が考えられたため、途中で餌を追加したり、新しい瓶にショウジョウバエを移したりといった追加実験を行ったが、個体数増加の傾向は変わらなかった。彼はこの曲線を個体数増加の一つの型と見なし、これをロジスティック曲線と呼んだ。 また、彼は個体数の増加によってその増加率に変化が生じることに注目し、個体数を変えて飼育することで、個体数が多くなるとその世代の増加率が小さくなることを見いだした。これが密度効果の発見である。 同様の研究はヒラタコクヌストモドキを用いてチャプマンらによっても行われ、また日本では内田俊郎がアズキゾウムシで同様の研究を行った。
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