定理の内容といくつかの事実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/21 23:27 UTC 版)
「コーシー=シュワルツの不等式」の記事における「定理の内容といくつかの事実」の解説
x や y が実または複素内積空間 ( X , ⟨ ⋅ , ⋅ ⟩ ) {\displaystyle (X,\langle \cdot ,\cdot \rangle )} の元であるとき、シュワルツの不等式は次のように述べられる: | ⟨ x , y ⟩ | 2 ≤ ⟨ x , x ⟩ ⋅ ⟨ y , y ⟩ . {\displaystyle |\langle x,y\rangle |^{2}\leq \langle x,x\rangle \cdot \langle y,y\rangle .} 左辺は内積 ⟨ x , y ⟩ {\displaystyle \langle x,y\rangle } の絶対値の平方である。ここに、等号は x と y が線型従属であるとき、つまり x, y のいずれか一方が 0 であるか、さもなくば一方が他方の適当なスカラー倍であるときであり、かつそのときに限る。内積の導くノルム ‖ x ‖ 2 := ⟨ x , x ⟩ {\displaystyle \|x\|^{2}:=\langle x,x\rangle } を用いればこれは | ⟨ x , y ⟩ | ≤ ‖ x ‖ ⋅ ‖ y ‖ {\displaystyle |\langle x,y\rangle |\leq \Vert x\Vert \cdot \Vert y\Vert } とも表せる。 コーシー・シュワルツの不等式の重要な帰結には、内積が2変数の関数と見て連続であるということ、従って特にひとつのベクトル x を決めるごとに内積が一つの連続汎関数 ⟨ x , ⋅ ⟩ {\displaystyle \langle x,\cdot \rangle } あるいは ⟨ ⋅ , x ⟩ {\displaystyle \langle \cdot ,x\rangle } を定めるということである。さらに、ベクトル x に対して汎関数 x ∗ : y ↦ ⟨ y , x ⟩ {\displaystyle x^{*}\colon y\mapsto \langle y,x\rangle } を与える対応が等長作用素になっていることも従う。 また、この定理の系として内積ノルムに関する三角不等式 ‖ x + y ‖ ≤ ‖ x ‖ + ‖ y ‖ {\displaystyle \Vert x+y\Vert \leq \Vert x\Vert +\Vert y\Vert } が導かれる。ここで等号が成立するのは、x と y の一方が他方の非負実数倍であるとき、かつそのときに限る。
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