宗主権―主権問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 14:35 UTC 版)
「宗主権―主権問題」とは、華夷秩序から条約体制へと国際秩序が移行する際に生じたある二国家間関係をめぐって持ち上がった問題である。前述したように華夷秩序では、中国王朝から冊封から受け、あるいは朝貢を行うことで、周辺諸国は宗主国―藩属国の関係となった。それは中国王朝の皇帝と周辺諸国の君主とが君臣関係を結ぶことを意味するが、それにより中国王朝の支配が周辺諸国全域に貫徹するということではない。むしろ概ね中国側は周辺諸国の内政・外交に干渉することはない。この状態を清朝は「属国であるが自主でもある」と西欧諸国に説明したため、歴史学では「属国自主」という表現を用いる。このような関係は『万国公法』の説く主権の概念から判断すると、曖昧で割り切れないものであった。 もっともこの問題がクローズアップされたのが、最後の朝貢国朝鮮をどう捉えるかという清朝と西欧・明治日本の意見衝突の時であった(岡本2004)。
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