宇都宮の民話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 22:43 UTC 版)
おしどり塚にまつわる、宇都宮市で語り継がれてきた民話は次の通りである。 「 昔々、宇都宮にあさり沼(求喰沼)という大きな沼があり、沼からあさり川が流れ出していた。岸には葦が茂り、水鳥にとっていい餌場であった。ある日のこと、獲物を求めて1日中山の中をさまよったものの、1匹も得られずにいた猟師があさり沼を通りかかると、つがいのオシドリを発見した。猟師はこれ幸と弓を引き、矢を放ち、オスのオシドリを射止めた。そしてオシドリの首を切り落とし、家に持ち帰った。翌日、猟師があさり沼に差し掛かると、昨日と同じところにオシドリがうずくまっていた。逃げるそぶりを見せなかったので、猟師はこれを射止め、拾い上げてみると、それはメスのオシドリで、昨日捨てて行ったオスの首を大事に抱えていたのだった。猟師はこれを見て「なんと罪深いことをしてしまったか」と心を痛め、出家し僧侶となった。そして岸辺に塚を築き、石の塔を建ててオシドリのつがいを弔った。僧侶となった元猟師は日光の本宮寺に入り、立派な僧となってからも生涯をかけてオシドリの冥福を祈った。 元猟師が建てた石塔を、誰ともなく、「おしどり塚」と呼ぶようになった。今でも大町の民家の裏手には、おしどり塚が残っているのだとさ。 」 この民話は河野守弘の著した『下野国誌』にある「鴛鴦塚」とほぼ同じである。
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