宇宙の無始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 13:38 UTC 版)
イブン・ルシュド以前の何世紀にも渡り、ムスリム思想家の間に宇宙は特定の瞬間に創造されたのか、それとも常に存在していたのかについて論争があった。アル・ファーラービーやイブン・スィーナーなどの哲学者は、世界は常に存在したと主張した。この主張はアシュアリー派の神学者によって批判された。特にアル・ガザーリーはこの宇宙の永遠説について広範な反論を書き、彼ら哲学者の不信(Kufr)を非難した。 これに対してイブン・ルシュドは『崩壊の崩壊』においてアル・ガザーリーに答えた。第一にこの二つの立場の違いは不信(Kufr)の罪に当たるほど広大なものではないと主張した。また、この宇宙永遠説はクルアーンに矛盾しないとも述べ、クルアーンにおける創造に関連した箇所、「王座」「水」について言及する句を引用した。クルアーンを注意深く読めば、宇宙の形態だけが時間内に創造されたことを暗示するが、その存在そのものについては永遠と主張した。
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