学術上のエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/21 05:11 UTC 版)
ネズッポ科の魚類は互いによく似て同定が困難な種が多いため、1980年代後半、ネズッポ科の分類研究者中坊徹次が、生物海洋学の専門研究者向けの科学雑誌『海洋と生物』に、絵解きの検索図説記事を連載した。通常の生物の検索表はその分類群の専門の分類学者以外には難解で、多くの生物学研究者にすら使用に多大な努力を要するものが多い中で、この絵解き方式の検索表はその使用の容易さで、多くの魚類研究者の間で大いに好評を博した。 このことがきっかけとなり、日本産の魚類全種にこの絵解き検索方式を適用した同定用の専門書を出版することを望む声が日本の魚類研究者の間で高まった。そして、ついには東海大学出版会で、日本近海及び陸水に生息する魚類の各分類群を研究する、明仁上皇(ハゼ科の一部を担当)を含む日本のほとんどの魚類分類学者を網羅した執筆陣により、この方式による分類検索図説『日本産魚類検索 全種の同定』が出版されるに至った。 その後、このスタイルもしくは類似した方法を用いた分類検索図説方式の分類学専門書籍が、東海大学出版会を中心として、様々な生物群で出版されるに至っている。
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