孤立電子対を持つ原子の立体反転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 05:24 UTC 版)
「立体配座」の記事における「孤立電子対を持つ原子の立体反転」の解説
3つの異なる置換基を持つアミンの窒素原子はsp3混成をしているため、孤立電子対を含めればピラミッド型の構造をとっており不斉中心となる。しかし、これによって生じる1対の光学異性体やジアステレオマーを単離することは通常はできない。これは窒素原子が速やかに立体反転をしており、これらの光学異性体やジアステレオマーが相互変換しているためである。このことを逆手に取れば、平面構造の遷移状態を取ることが不可能な置換基を持つアミンでは、光学異性体やジアステレオマーを単離することが可能である。 非対称なスルホキシドの硫黄原子も同じような構造をしているが、室温付近では立体反転の速度が非常に遅いため、光学異性体やジアステレオマーを単離することが可能である。しかし高温にするとやはりアミンと同じように相互変換が起こるようになる。
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