奥黒谷(綾部市八代町)の紙漉き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:25 UTC 版)
「黒谷和紙」の記事における「奥黒谷(綾部市八代町)の紙漉き」の解説
綾部市八代町は黒谷町に隣接し、古くは「奥黒谷」と称された地域である。昭和末期から平成初期に生産者が絶え、21世紀に残る紙漉きの痕跡は川辺に設けられた楮の晒し場くらいしか残されていないが、京都府内の他産地にない独特の紙漉き技術を継承していた地域であった。専業で紙漉きを行うのが主流である黒谷町と異なり、奥黒谷では農閑期の副業として紙漉きが行われた。その技法は細川紙を生産する埼玉県比企郡小川町にかつて存在した技法と同じで、他産地との違いは主に次の2点にあった。 漉き場 スキブネを土間の高さに据え付け、その手前に掘り炬燵のように穴を掘って炭火などの炉を入れ、紙漉きはその穴の中から紙を漉く作業をした。 技法 2枚1組の簀子を交互に使用して紙漉きを行い、1度目に漉いた紙は簀子立て台に立て掛けて水切りをし、2度目に漉いた紙はスキブネの上に置いたまま水切りをする。これを交互に繰り返して紙漉き作業の合間に水分を切る時間をつくることで、前日の紙床にそのまま湿紙を伏せ置き続け、2日分の漉き紙をまとめてジャッキにかけて圧搾した。
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