失語症の概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 13:36 UTC 版)
失語症とはいったん獲得された言語機能が中枢神経系の損傷によって言語の理解と表出に障害をきたした状態である。Kertezは失語症には3つの症状、即ち発語における誤り、話し言葉の理解障害、物品呼称の障害があるとしている。 発語における誤り 「どうしました?」、「今何に困っていますか?」といった問いかけに対して、病歴を順序立てて話すことができる、あるいは長い文章をすらすらと話し誤りがなければ発語における誤りはないと考えてよい。 話し言葉の理解障害 失語症の患者は他の高次機能障害の合併がなければ言語外の情報を得ることには問題はないため、言語外の情報を与えないように注意する必要がある。「左手で右の指を触ってください」など簡単な命令を行ってみる。障害が軽度である場合は簡単な命令ならば理解ができるので、時計、メガネ、鍵、鉛筆など物品を用意し、複雑な命令を行ってみる。例えば「時計の上に鍵をのせ、その鍵を私に下さい」などは二段階の命令であり軽微な理解障害の検出に役に立つ。 物品の呼称障害 時計、メガネ、鍵、鉛筆など物品を用意し、「これは何ですか?」と尋ねる。言葉が出ないのか、あるいは言い間違えるのか、間違えるのは音なのか(字性錯語、音韻性錯語)、違うものを言うのか(語性錯語)といった点を調べる。障害が軽度の場合は見慣れないもので行う必要がありBoston Naming Test (BNT)などを行うこともある。
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