天然放射能に関する研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 04:28 UTC 版)
「木村健二郎」の記事における「天然放射能に関する研究」の解説
木村は東京帝国大学において柴田雄次のもとで希元素を含む鉱物の研究を行い、1921年恩師の柴田と連名で「東洋産含稀元素鑛石の化學的研究 (其一)」 を発表した。その後、希元素鉱物に関する研究は木村とその門下生によって引き継がれ66報まで続けられた。希元素鉱物の多くは放射能を示すので、物理学教室の木下季吉から指導を受けて、アルミ箔検電器を使用して放射能を測定した。 1937年頃から木村健二郎研究室では日本全国の温泉、鉱泉中のラジウムやラドンに関する研究を始めた。門下生の中井敏夫は日本全国約500の温泉、鉱泉に含まれるラジウムを測定し、一部の温 (鉱) 泉中のラドンを測定した。この研究によると、ラジウム含量が多いのは、兵庫県有馬新温泉、山梨県増冨鉱泉、島根県池田ラジウム鉱泉、湯抱温泉、鳥取県三朝温泉であった。また、木村と門下生の黒田和夫、横山裕之は温泉中のラドンの挙動に関する研究を行い、ラドンが源から湧出口に到達するのに要する時間は数分から数十分に過ぎないこと、ラドンの主たる供給源は温泉沈殿物であることを明らかにした。
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