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大藤紀一郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 09:24 UTC 版)

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大藤 紀一郎
別名 高紀、高郷、高稔
個人情報
生誕
建丸

弘化3年10月3日1846年11月21日
死没 1881年明治15年)頃失踪
宗教 神道
配偶者 多喜の
子供 やすの、つるよ、松枝、春雄
両親 藤井高雅、松野
別名 高紀、高郷、高稔
寺院 吉備津神社沼名前神社
聖職 権祢宜、祢宜
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大藤 紀一郎(おおふじ きいちろう)は幕末明治初期の神職。岡山県吉備津神社権祢宜、広島県沼名前神社祢宜。

生涯

弘化3年(1846年)10月3日備中国吉備津宮社家藤井高雅の子として生まれた[1]。母松野は出産当日死去した[1]。幼名は建丸、名は高紀[2]、高郷、後に高稔[3]

安政元年(1854年)9月2日父が家督相続を願い出るも、許可されなかった[4]万延元年(1860年)11月15日元服し[5]文久元年(1861年)父から社職を譲り受け[6]、社司・社家頭となった[2]

文久3年(1863年)7月25日父が京都で暗殺されると、30日朝五つ時大坂の緒方拙斎から飛脚便で第一報を受け[7]、同日父は無断で他国に滞在した罪で除籍となり、紀一郎も父に諫言しなかった罪で押込を命じられた[8]

8月2日暮六つ過ぎ、父の滞在先だった山田源兵衛から書状が届いて上京を求められ[9]、5日倉敷代官大竹左馬太郎からも呼出状が届き、上京して遺体を引き取り、敵討ちをするよう促されたが、祖母の許可が得られないとして断った[10]

大藤家には多額の借金が残されたが、大坂屋源介(林孚一)には本居宣長の短冊1枚で百数十両の借金を帳消しにしてもらう温情を受けた[11]

明治5年(1872年)11月18日吉備津神社権祢宜に補され、1873年(明治6年)士族に編入された[2]。1876年(明治9年)5月7日広島県沼名前神社祢宜に転じた[2]

1881,2年(明治14,5年)頃失踪した[3]

和歌

  • 花「かたらはぬ人にひかれてけふもまた一めぐりせり花のなかやま」[3]
  • 夏月易明「かくるかとみればはれ行くむら雲のはやくもあくるなつの夜の月」[3]
  • 雨中緑竹「ことし生の深きみどりの竹の葉のうらさびしくもそそぐあめかな」[3]
  • 忍涙恋「もらさじとつつむ心のよはければこぼれがちなる我なみだかな」[3]

大藤家

大中臣氏藤原氏又は楽々森彦命を祖とする社家藤井高利家(三日市藤井氏)に属する[12]嘉永3,4年(1850,1年)頃、父高雅は『今昔物語集』「地蔵菩薩を念ずるに依りて主に殺さるる難を遁るる語」に見える大藤大夫(藤原文時)を先祖と称し、家号を大藤と定めた[13]

  • 父:藤井高雅 - 吉備津宮社家頭。尊王攘夷派に暗殺された。
  • 母:松野 - 藤井高豊遺女[1]文政4年(1821年)2月14日生[14]弘化3年(1846年)10月3日没[1]
    • 兄:尚太郎 - 天保9年(1838年)7月22日夭折[15]
  • 妻:多喜の - 備前国赤磐郡小野田村(岡山県赤磐市熊山地域)木梨家次女。死別後、御津郡大野村高柳(岡山市北区)河野寿吉に再嫁した[2]
    • 娘:やすの - 丸川伝四郎に嫁いだ[16]
    • 娘:つるよ - 1905年(明治38年)没[16]
    • 娘:松枝 - 野崎平九郎に嫁いだ[16]
    • 長男:春雄 - 1912年(大正元年)34歳で死去し、大藤家は断絶した[16]

脚注

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  1. ^ a b c d 井上 1911, p. 11.
  2. ^ a b c d e 藤井 1944, p. 藤井氏系図.
  3. ^ a b c d e f 藤井 1944, p. 91.
  4. ^ 藤井 1944, p. 124.
  5. ^ 藤井 1944, p. 125.
  6. ^ 井上 1911, p. 10.
  7. ^ 藤井 1944, p. 64.
  8. ^ 藤井 1944, p. 66-67.
  9. ^ 藤井 1944, p. 67.
  10. ^ 藤井 1944, p. 69.
  11. ^ 藤井 1944, p. 73.
  12. ^ 藤井 1944, pp. 7–8.
  13. ^ 藤井 1944, pp. 42–43.
  14. ^ 井上 1911, p. 9.
  15. ^ 藤井 1944, p. 123.
  16. ^ a b c d 清水.

参考文献




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