大屋根リングとは? わかりやすく解説

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大屋根リング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/27 23:47 UTC 版)

大屋根リング
大屋根リング(2025年4月)
情報
用途 博覧会・展覧会施設
設計者
施工 複数の共同企業体[1][2]
管理運営 2025年日本国際博覧会協会
構造形式 木造
建築面積 61,035.55 m²
高さ 約12 m(外側約20 m)
エレベーター数 6基
着工 2023年6月30日
竣工 2025年2月27日
開館開所
開通
2024年8月21日[3]
供用開始
2025年2月28日(引渡日)[4]
所在地 554-0044
大阪府大阪市此花区夢洲中1丁目
座標 北緯34度38分56秒 東経135度22分48秒 / 北緯34.64889度 東経135.38000度 / 34.64889; 135.38000 (大屋根リング)座標: 北緯34度38分56秒 東経135度22分48秒 / 北緯34.64889度 東経135.38000度 / 34.64889; 135.38000 (大屋根リング)
備考
  • 全周:約2,025 m
  • 使用木材:スギ、ヒノキ、オウシュウアカマツ
  • ギネス世界記録(世界最大の木造建築物)
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大屋根リング(おおやねリング、: The Grand Ring[2])は、大阪府大阪市此花区夢洲に位置する円形の建造物。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のシンボルとして建設され、世界最大の木造建築物: The largest wooden architectural structure[2]建築面積:61,035.55平方メートル)としてギネス世界記録に認定された[5][6]

概要

2025年(令和7年)4月13日から10月13日の184日間にわたって開催される大阪・関西万博の会場デザインの理念「多様でありながら、ひとつ」を表すシンボルとして2023年6月に着工、2025年2月に竣工した[2]。デザインは藤本壮介が手掛け、基本設計は東畑建築事務所梓設計JVが担当、工事は3組のJVが分担して施工した。建設費は約350億円[1]

大屋根リングには神社仏閣の技術である ぬき接合と現代工法を組み合わせた構造が採用されており、約7割は日本産のスギヒノキ、約3割は外国産のオウシュウアカマツが使用されている[2]

藤本は大屋根リングを木造にした理由について、日本の1000年以上の木造建築の歴史と伝統を活かしつつ、日本が木造で世界的イニシアチブを握るというメッセージを出すためだと述べている。円形であることについては、機能性と象徴性を兼ね備えていることを理由として挙げている[7]

屋上

大屋根リングには階段のほか4か所のエスカレーターと6基のエレベーターが設置されており屋上に登ることができる。屋上には約32,500平方メートルの植栽と「スカイウォーク」と呼ばれる回廊があり、訪問者は約30分かけて1周できる。全周は当初約2キロメートルとされたが、通路の中心部を基準に計測すると開催年と同じ約2,025メートルであることが判明した[1]

南側は水辺空間「ウォータープラザ」に面しており、会期中は会場を見下ろす形で水上ショー(アオと夜の虹のパレード「水と空気のシンフォニー」、ドローンショー)などを見ることができる[1]

閉幕後

万博閉幕後には解体・撤去される予定であり、木材の一部のみが再利用される方針となっている。レガシーとして残すべき、という意見があるものの、現在は仮設建築物として設計されているため、常設化には大規模な補強や維持管理費など多くの課題がある[8]

2025年4月27日に博覧会協会は、民間事業者の案として約200メートル(会期中の空の広場~関西パビリオン付近)をモニュメントとして残す方向で議論を進めていることを明らかにした[9]。一方、5月3日に大阪府の吉村洋文知事は「大屋根の上を歩いて空を見上げることができるリングを残さなければ、意味がない」と述べ、海側の約600メートルを屋根を含めた現在の形で保存する案を提案した[10]。6月2日新たに、海側の約350メートル(噴水モニュメントを中心としたエリア)を保存検討の案が発表された。

6月23日の理事会でも最終的な方針は決まっていない[11]

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b c d e 大阪・関西万博の大屋根リングが完成、世界最大の木造建築物としてギネス認定”. 日経クロステック(xTECH). 日経BP (2025年3月6日). 2025年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e 大屋根リング”. EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト. 2025年日本国際博覧会協会. 2025年4月15日閲覧。英語版は右上の言語セレクトにより遷移。
  3. ^ 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)「大屋根リング記念式典」を開催しました』(プレスリリース)2025年日本国際博覧会協会、2024年9月18日。オリジナルの2024年11月23日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20241123051134/https://www.expo2025.or.jp/news/news-20240918-03/ 
  4. ^ 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場のシンボル「大屋根リング」が完成!』(プレスリリース)2025年日本国際博覧会協会、2025年2月28日。オリジナルの2025年3月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20250319194527/https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250228-04/ 
  5. ^ “Expo’s ring roof certified as world’s largest wooden structure”. The Asahi Shimbun (英語). 朝日新聞社. 5 March 2025. 2025年4月15日閲覧.
  6. ^ Largest wooden architectural structure” (英語). Guinness World Records. 2025年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  7. ^ 万博会場デザインプロデューサー藤本壮介氏に聞く、大屋根を歩きながら4つの直球質問”. 日経クロステック(xTECH). 日経BP (2024年6月24日). 2025年4月15日閲覧。
  8. ^ 大屋根リングは「レガシー建築」になれるか、万博開幕前から閉幕後を考える”. 日経クロステック(xTECH). 日経BP (2025年3月14日). 2025年4月15日閲覧。
  9. ^ 大阪・関西万博 大屋根リング活用方針 6月23日決定へ|NHK 関西のニュース”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会. 2025年5月6日閲覧。
  10. ^ 大屋根リング、吉村知事が海側600メートル保存を提案…費用は10年で17億円”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2025年5月3日). 2025年5月6日閲覧。
  11. ^ 大屋根リングの再利用需要は8% 残りは粉砕して木材チップに|NHK 関西のニュース”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会. 2025年6月23日閲覧。

外部リンク




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