墨江武禅とは? わかりやすく解説

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墨江武禅

読み方すみえ ぶぜん

江戸中期画家彫金家大坂生。姓は長田、名は道寛、字は子全、武禅・心月朦朧斎・墨江斎等と号し墨江武禅と称されるうになる初め船頭であったが、金彫・毛彫能くし、また月岡雪鼎に画を学び画家となる。文化3年(1806)歿、73才。

墨江武禅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 02:07 UTC 版)

墨江 武禅(すみのえ ぶぜん、享保19年〈1734年〉 - 文化3年1月29日1806年3月18日〉)とは、江戸時代中期から後期にかけての大坂の浮世絵師

来歴

月岡雪鼎の門人。姓は長田、名は道寛、または寛。通称は荘蔵。字は子全。朦朧(斎)、心月(居士)、武禅斎などと号す。また、下記の「唐美人押絵貼図屏風」の落款より、仲信とも名乗ったようだ[1]。大坂の船町に住む船頭であったが、月岡雪鼎に絵を学んでこれを本業とし、天明1781年 - 1789年)頃、肉筆美人画を描いた。また、の古画を研究し、更に池大雅の画法も習得している。また彫金の毛彫りを得意とし、石膏で仮山水をつくることにも巧みだったという。天明元年(1781年)刊の『装剣奇賞』巻4に、「武禅」の項目に「画を以って名あり」と記され、彫金家としても絵師としても認められていた。生涯独身で、享年73。

作品は極めて少ないが、「月下縁先美人図」などは代表作に挙げられる。画風は師である雪鼎の描く美人によく似ている。「月下縁先美人図」に描かれた女性の髪型や風貌など、雪鼎の「蛍狩り図」の女性に酷似している。著作に文化5年(1808年)刊行の盆石書『占景盤』一冊、地誌『鉢山図会』二巻などがある。

作品

作品名 技法 形状・員数 寸法(縦x横cm) 所有者 年代 落款・印章 備考
松林図・柴垣に菊図 前者は違棚4面 後者は襖4面 金箋・金地墨画 久本寺(大阪) 1786年(天明6年)より少し前の作か。 上段の間障壁画。同寺には兄弟弟子の蔀関月が描いた障壁画もある。
山水図屏風 墨画 六曲一双 148.5x326(各) 堺市博物館 各隻に「画學齋印」・印2夥 「画學齋印」印は谷文晁の印と見られる[2]
十六羅漢風 墨画淡彩 141.0x63.5 堺市博物館[2]
芙蓉峯細見之図 紙本墨画着色 1幅 53.0x65.6 静岡県立美術館 1799年(寛政11年)頃
新居関所之図 絹本著色 1幅 新居関所史料館][3]
月下山水図 府中市美術館
富士図 絹本墨画淡彩 1幅 57.3x88.4 大英博物館
山水図 絹本墨画 98x44 大英博物館
唐美人押絵貼図屏風 紙本著色 六曲一隻 162.8x341.4 プラハ国立美術館[4] 右端の図のみ款記「武禅寫」/「泰仲信印」白文方印・「墨江」 朱文方印
月下縁先美人図 絹本着色

脚注

  1. ^ 狩野博幸 「プラハの近世絵画」(京都国立博物館編集・発行 『国際交流特別展覧会 プラハからの美のたより-里帰り日本美術-』 2002年1月、p.19)。
  2. ^ a b 堺市博物館編集・発行 『堺市博物館優品図録 第二集』 2001年3月31日、第45,50図。
  3. ^ 川崎市市民ミュージアム企画・編集・発行 『「東海道」読本 ―東海道展解説図録―』 1994年4月、第77図。
  4. ^ 平山郁夫 小林忠編著 『秘蔵日本美術大観11 ウィーン国立工芸美術館/プラハ国立美術館/ブダペスト工芸美術館』 講談社、1994年5月25日、第2図、ISBN 4-06-250711-0

参考文献




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