塩化ナトリウムの電解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/21 01:27 UTC 版)
塩化ナトリウム水溶液を電気分解する塩化ナトリウム電解工程 (chloralkali process) は、工業生産にも用いられる。塩化ナトリウム水溶液を電気分解することにより、水酸化ナトリウム、塩素ガス、水素ガスを得ることになる。 塩化ナトリウム水溶液を電気分解すると陽極と陰極でそれぞれ次の反応が起こる。 陽極(+): 2 Cl − ⟶ Cl 2 + 2 e − {\displaystyle {\ce {2Cl^{-}->Cl2\ +2{\mathit {e}}^{-}}}} 陰極(-): 2 H 2 O + 2 e − ⟶ H 2 + 2 OH − {\displaystyle {\ce {2H2O\ +2{\mathit {e}}^{-}->H2\ +2OH^{-}}}} 全反応: 2 NaCl + 2 H 2 O ⟶ 2 NaOH + Cl 2 + H 2 {\displaystyle {\ce {2NaCl\ + 2H2O -> 2NaOH\ + Cl2\ + H2}}} 塩化ナトリウム水溶液を隔膜が無いまま電気分解すると、発生した塩素と水酸化物イオンが反応を起こす。 Cl 2 + OH − ⟶ HClO + Cl − {\displaystyle {\ce {Cl2\ + OH^- -> HClO\ + Cl^-}}} Cl 2 + 2 OH − ⟶ ClO − + Cl − + H 2 O {\displaystyle {\ce {Cl2\ + 2OH^- -> ClO^-\ + Cl^-\ + H2O}}} 2 HClO − + ClO − ⟶ ClO 3 − + 2 HCl {\displaystyle {\ce {2HClO^-\ + ClO^- -> ClO3^-\ + 2HCl}}} ゆえに塩化ナトリウム水溶液をそのまま電気分解すると高純度の水酸化ナトリウムは得られない。そのため隔膜を使って陽極室と陰極室に分けたり、電極に水銀を用いてナトリウムアマルガムを作ったりする方法がある。
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