塚本学による見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 12:26 UTC 版)
歴史学者の塚本学は、『安城市史』において長太夫の事件の歴史的な位置について考察し、「大屋長太夫の伝承」として一項で伝説に関する見解を示している。 塚本は、伝説への見解として、長太夫が元々武士の身分の出自で村の草分けとなった人物であるということは事実を反映するものであり、「小向免」は村の指導層の激しい減免運動の成果であるとしている。また、直訴の対象が徳川家光であったかについては度外視しつつも、長太夫を中心とした領主への抵抗は17世紀の出来事であったとする。 さらに、事件の伝承について、後述の理由から事件が記録に残らず口述で伝えられることや、住民が領主へ配慮し激しい抵抗運動を合法的なものと改ざんすることによって、事実がその通りに伝えられることはないと推測しつつも、抵抗運動での事件の存在を領主は隠蔽しようとすることおよび文字を利用できる一般住民の数が少ないことによって事件は記録上から抹消されることを指摘し、その状態で伝承が残ったことは住民が表面上は領主に服従しながらその間に抵抗の精神が失われていなかったことを示すとしている。
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