命題2について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:26 UTC 版)
「科学的認識の成立条件」の記事における「命題2について」の解説
科学的認識がめざすものは、条件さえ同じなら常に同じ結果を生じるという法則を明らかにすることであって、原理的に1回きりの個性的な事件を問題にするものではない。地球の歴史や生命の誕生や進化などの自然の歴史を論じる科学についても、初めは歴史的な事象を記述するにとどまっても、やがて一般的な法則を見出さなければならない。 法則的認識は仮説を実験的に検証することによってのみ成立する。科学は既に知られている諸現象の解釈によってなり立つものではなく、まずその解釈を仮説として提起して、それを改めて実験的に検証しなければならない。科学は対象に関する法則性を問題にするのであるから、その法則は既に知られていることだけでなく、未知の現象への規定や予言も含み、それらが検証される。 科学上の理論・法則・仮説は実験によってその真否を問うことができるような具体的・一意的な内容を持つものでなければならない。科学上の理論・法則・仮説は未知の具体的現象について予言的能力を持つからこそ価値がある。 もともと有限の事実から無限の規定を含むような理論・法則を一度に一義的に導き出すということは困難である。既に知られている事実がいかに多くともさまざまな解釈の可能性が残っているものである。そこで科学は「事実→理論」という形で進歩するのではなく、「仮説→実験→仮説→実験」のように繰り返しの形でのみ進歩していく。
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