同盟への不参加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 10:10 UTC 版)
スパルタはコリントス同盟に加わる意志を見せなかったので、フィリッポス2世はスパルタにもコリントス同盟に加わるように促した。その際に脅しの意味も含めて、下記のような手紙を送った。 ἂν ἐμβάλω εἰς τὴν Λακωνικήν, ἀναστάτους ὑμᾶς ποιήσωもし私がラコニアに攻め入れば、スパルタは破壊し尽くされ、二度と再興することはないだろう。 これに対し、スパルタ側から返事の手紙がフィリッポス2世の元に届けられた。 "αἴκα" 「もし」 古代スパルタではラコニック・フレーズという返答方式が有名であり、できるだけ少ない語数で相手の虚を突く返答をし、自尊心を挫くことがラコニック・フレーズの特徴でもあった。この「もし」という一見短すぎる返答もラコニック・フレーズの例に漏れず、相手の自尊心を挫く効果が含まれていた。フィリッポスの言った「スパルタは破壊し尽くされ、二度と再興することはない」という脅しは、「もし私がラコニアに攻め入れば」が前提であり、その前提は「もし」という仮定に過ぎない。スパルタはそれを見抜き、「もし」という仮定の表現だけを返事とすることで、スパルタは決してマケドニア王国にラコニアを攻めさせない(徹底抗戦する)ということを暗に示したのであった。フィリッポス2世およびアレクサンドロス大王はこの返事を受け取った後、スパルタをコリントス同盟に引き入れることを諦めた。
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