合併の税務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 00:09 UTC 版)
税務上も企業会計上の考え方を反映し、適格合併とそれ以外の合併(通称、非適格合併と呼ばれる。)に区分し、それぞれ異なる取り扱いを行っている。 通常の合併は、被合併法人の資産が、時価により合併法人に譲渡されるものと構成される。したがって、被合併法人の最後事業年度において、その有する資産の譲渡益又は譲渡損を計上し、精算されて課税を受けた後、いわば時価評価された後の資産負債を合併法人に移転することとなる。被合併法人の欠損金は引き継がれることはない。また、被合併法人の株主においても旧株を譲渡し新株を取得する際に、旧株のキャピタル・ゲインに課税されるほか、みなし配当課税も生じうる。 これに対し、適格合併では、被合併法人の資産が、簿価のまま合併法人に引き継がれることとなる。これにより、たとえ被合併法人の資産に多額の含み益があったとしても、その課税を受けずに合併法人に引継ぎすることができる。また、繰越欠損金の引継ぎも一定のものを除き原則として認められている。なお、被合併法人の株主は、旧株の簿価と同額で新株を取得したものとされるため課税関係は生じない。 非適格合併になると、会社及び株主に合併時に税負担が生じるので、合併を円滑にするためには適格合併であることが必須要件とされている。そして、現実に行われている合併はほぼ全てが適格合併の要件を満たすように行われる。これらの適格要件は、合併を利用した課税逃れを防止する観点から規定されている。
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