友の会の資金流用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 08:00 UTC 版)
松菱には顧客から資金を集めて行う積立金優待制度「松菱友の会」が存在した。友の会は入会して毎月積み立てを行うと、1年後には積み立てた金額より1ヶ月分多い13ヶ月分の金額の買い物券を受け取ることができた。中高年の主婦層に人気で、会員数は49,660人、積立総額は約32億円にものぼったが、積立金は本来必要とされる独立会計など適切な運用がなされていなかった。松菱は新館建設時の借入金返済を売上から賄えなくなったため、友の会の積立金を会社の運転資金などに流用していた。 割賦販売法で定められた保証金の16億円(積立金32億円の50%)について、業績の悪化により保証会社の日本割賦販売から保証を受けることができなくなり、代わりの資金調達もできなかった。北脇保之浜松市長(当時)も支援企業探しに奔走したが見つからず、松菱友の会は静岡地方裁判所浜松支部に自己破産の申し立てを行い、破産の宣告を受けた。 この問題を重く見た当時の東海銀行(現在の三菱UFJ銀行)が真っ先に融資を打ち切り、当初は支援する方針だったメインバンクの静岡銀行もそれに同調するように融資を打ち切ったため経営が行き詰った。 松菱が倒産した2001年11月14日は友の会会員向けに行っていた優待販売会の初日であり、集まった会員らは、開かないシャッターの前で騒然とする事態となった。また翌15日は取引先への支払日、従業員への給与支払日であった。 松菱の倒産直前に友の会を退会したり、大量の商品券を金券ショップに持ち込んだりした客がいたことが後になって判明した。
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