原理の無視と違反
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 07:41 UTC 版)
グライスは実際の会話においてすべての人が常に格率に従うと想定していない。グライスは従わなかった場合を無視(flouted)と違反(violated)の二つに分けて研究した。無視は聞き手が話の内容を理解するのが当然であるとしている状況、違反は聞き手が含意に当然気づかないであろうとする状況のことを指す。無視は状況的には話し手が協調の原理に従っていることを意味し、厳密には格率に従っている。しかし、実際としては格率に従っている内容を言っていないために格率に従っていないとしている。 例えば、「テニスの試合に興味はありますか」という質問に対して、「雨が降っています」と答えることは一見すると関係性の格率を無視しているだけである。しかし、この発話の背景となる理由は通常対話者は認知している。
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