原理や技術の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 16:15 UTC 版)
体内では、侵入した抗原(タンパク質)と結合して抗体(免疫物質)が作られる。抗体はY字形をしており、2本の腕のうち1本で抗原と結合する。この構造を人工的に改変し、根本部分にポリエチレングリコールという弾力性を有する高分子化合物を挿入した。抗体の腕はこれをバネのようにして動き、2本同時に抗原と結合できるようにした。アルツハイマー病に関係する蛋白質の断片に対して実験したところ、通常の抗体より100倍以上強力に抗原をつかまえることができた。 その後、糖鎖の状態を簡単に分析できるようになり、ペプチドを選別することなくごく微量の混合物の状態から糖鎖の状態を調べられるようになる。1mLの血液からアルツハイマー病の原因となる蛋白質を検出することに成功。未知の関連物質を8種類見つけることにもつながった。この技術はアルツハイマー病や前立腺がん等、様々な病気の早期発見に貢献することが期待されている。
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