占術書としてみた『占事略决』の特徴
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「占事略决」の記事における「占術書としてみた『占事略决』の特徴」の解説
『占事略决』には、現代に伝わる六壬神課では忘れられた技法や、その断片が幾つも記されている。占術における重要な技法に、占った結果がいつ頃現実のものとなるかを推測する「応期法」がある。この「応期法」について、『占事略决』に記された河魁を用いる応期法は他に例がない。また、京都大学図附属書館蔵本にのみ見える「指年法」について触れる六壬の古典も、他に例がない。 第二十七以降の章には特殊な天地盤についての解説がある。つまり巻頭の「四課三伝法第一」で解説される占った時刻と月将から作成する天地盤とは異なった方法で作成する天地盤である。この特殊な天地盤においても、『占事略决』で解説されている技法は、現代のものよりも複雑であったり現代には伝わっていなかったりする。 『占事略决』では、「雨を占う方法」と「晴れを占う方法」がそれぞれ別の章となっている。しかし、『六壬鑰』等の六壬の原典の多くでは晴雨を含めて天候占という形で一括りにされている。この様な同一カテゴリの問いであってもYes/Noで見方を変える占い方は、『占事略决』の六壬が現代の六壬とは異なる風格を持っていることをしめしている。 松岡2007では、中国の明代に占術一般の革新が行われ、六壬についても改編があったのだろうとしている。
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