化学教育のための再評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:00 UTC 版)
「物質同定の原理」の記事における「化学教育のための再評価」の解説
板倉聖宣はこの法則の存在を、帰山信順の、中等化学教科書で「性質の定律」呼ばれていたことで知った。 この法則は「物質律」や「性質律」とも訳されていたし、オストワルドは日本の化学教育に圧倒的に強い影響を与えたが、この「性質の定律」は日本の化学教育にはほとんど影響を示さなかった。板倉聖宣は調査結果から「大学生でも物質の基礎的な概念ができていない」ことを指摘して、「これを〈物質同定の原理〉と名付けて復活させたいと考えています」と述べている。 三井澄雄は板倉の提案を受けて、この法則を「物質同定の原理」として初等・中等化学教育の中で復活させることを提案した。三井は学校教育の中でこの法則を取り上げるべきだと主張した。 三井澄雄は「現在、初等・中等化学教育の中で〈性質の定律〉は忘れられた法則である」として、「性質の定律は化学者には常識でも、子どもたちには常識ではない。子どもたちは物質が同一かを決めるには、全ての性質を比べなければならないと考えていて、化学者のように2,3の性質を比べれば良いとは考えない。従って物質を扱う化学、とりわけその初等・中等教育の段階で〈性質の定律〉を学習する意義は大きい」としている。 三井澄雄は「性質の定律」ではその内容を十分表していないことと、証明の必要のない「原理」とした方が良いと考え、板倉聖宣と同様に「物質同定の原理」として学習させたいと主張した。
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