削除された章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/01 08:39 UTC 版)
「時計じかけのオレンジ (小説)」の記事における「削除された章」の解説
小説は21章から構成されるが、アメリカ合衆国で最初に出版された際、バージェスの意図に反し最終章である第21章が削除されて出版され、キューブリックによる映画も本来の最終章を削除された版を元に作られた。映画化に際して一部のエピソードを省略したり複数のエピソードをまとめたりすることはよくあることだが、第21章があるか否かにより小説の印象は相当異なる。このため、映画版は原作者であるバージェスが意図しない終わり方をしている。 アメリカで第21章は復活して出版されるようになった。日本語翻訳版では1980年発行の、アントニイ・バージェス全集二巻で見ることができた。2008年9月10日、早川書房から第21章を含む「完全版」(ISBN 4-15-120052-5)が発売された。 第21章では、回復したアレックスが新しい仲間たちと集い再び暴れ回る日々に戻るが、そんな生活に対してどこか倦怠感を覚えていたある日、かつての仲間のピートと再会。妻を伴う彼の口から子供が生まれたことを聞く。アレックスは自分も18歳になったので、そろそろ女でも作って落ち着こうと考え、暴力から卒業しようと決意する。しかし「子供時代にはだれでも避けられない道だろう。俺の子供にもいつか若い頃の話をするだろうが暴力の道に進むことを止めることはできないだろう。」とかつて犯した犯罪は全部若気の至りだと総括している。
※この「削除された章」の解説は、「時計じかけのオレンジ (小説)」の解説の一部です。
「削除された章」を含む「時計じかけのオレンジ (小説)」の記事については、「時計じかけのオレンジ (小説)」の概要を参照ください。
- 削除された章のページへのリンク