分類学者のあり方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 16:23 UTC 版)
分類学的研究はもちろんそれ自体が関心の対象であり得るが、手段、ないしは途中経過として考える場合もあり得る。たとえば、生態学的研究の場合、その地域の生物相がある程度以上判明していないとまったく手のつけようがない。したがって、まずは生物相の解明、つまり、分類学から始めなければならない。日本の動物生態学の初期の重鎮であった宮地伝三郎は淡水の生態学に関心があったが、そのために、まずその弟子に日本の主要な淡水動物の分類群を割り振って分類学の研究を進めさせた。 もっとも、手段ないし途中経過がいつの間にか目的になってしまう例もなくはない。トビムシの研究家である吉井良三は生態学的研究を目指し、そのために、まず分類に手をつけ、結局これが一生の仕事になった旨を述べている。ササラダニの研究家である青木淳一もやや似たことを述べた。 なお、生物学者がどれかの分類群の専門家であることは、かつては当然のことであった。
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