分類学的意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/03 12:53 UTC 版)
側頭窓は古典的な分類学に用いられていた。側頭窓を持たないグループを無弓類、左右に1対ずつ持つグループを単弓類(哺乳類含む)、左右に2対ずつ持つグループを双弓類と呼ぶ。また、かつては下側頭窓のみを持つ単弓類に対して上側頭窓のみを持つ広弓類というグループも提唱されていた。以前は分類の指標として側頭窓が有力視されており、単純な構造から複雑な構造へ進化を遂げたと考えられていた。 カメは側頭窓が見られないことから無弓類と考えられていたが、二次的に側頭窓が閉じた双弓類であることが明らかになった。また、広弓類型の側頭窓は双弓類型の側頭窓から派生したものと考えられるようになったため、広弓類という分類群は使用されなくなり、首長竜らは具体的な位置に議論があれど双弓類に分類する説が有力となった。このように、分類の根拠とされていた側頭窓は進化によって変化しうることから、遅くとも2000年代には指標として重視されなくなり、他の形態学的特徴やゲノム配列に取って代わられることになった。
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