分散ロック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 05:01 UTC 版)
「IBM General Parallel File System」の記事における「分散ロック」の解説
GPFSはファイルの同期、一貫性についてPOSIXセマンティックスを保証している。例えば同時に同じファイルにアクセスする2つプロセスが存在するとき、読み込み側のプロセスが見えるデータは書き込みプロセスが書き込んだデータのすべて、若しくはまったく見えないかのどちらかである。読み込みプロセスはデータが中途まで書き込まれた状態を読み込んでしまうことはない。読み込みと書き込みの不可分操作性が保証されている。通常のファイルシステムでは対象をファイル単位でロックすることで、書き込みと読み込みが同時されないようにしている。 GPFSでは分散ロックを用いてファイルの一貫性を保っている。ファイルシステムノードのうち一台がグローバルロックマネージャの役割をはたし、各々のノードはローカルロックマネージャを持っている。グローバルロックマネージャはロックトークンを付与することでローカルロックマネージャ間の調整をする。一つのノードが繰り返し同じファイルへアクセスする時は初めの一回だけロックトークンを獲得すれば、その後ノード間でメッセージ交換をする必要がない。他のノードが同じファイルにアクセスする場合は最初にロックトークンを獲得したノードにロックトークンを要求する。ロックトークンを通さなければファイルのデータを変更できないため、ロックトークンは更にキャッシュの一貫性を保証する役割も果たしている。
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