円盤消失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 18:13 UTC 版)
「TYC 8241 2652 1」の記事における「円盤消失」の解説
IRASによる発見から2008年まで、中間赤外線では、恒星の光球からの放射として予測される強度のおよそ30倍に及ぶ赤外超過が検出され、星周円盤の温かい塵がそれを放射していると考えられた。2008年5月にジェミニ南望遠鏡で観測された際も、赤外超過の大きさは変わらなかった。しかし、2009年1月にジェミニ南望遠鏡で観測された時には、それが13倍程度にまで減少し、翌2010年1月に広域赤外線探査衛星WISEで観測された時には、恒星の中間赤外線放射と殆ど差がない程度まで弱くなった。2012年5月に再度ジェミニ南望遠鏡で観測した際にも、中間赤外線が殆ど超過していないという結果は変わらなかった。結局、2009年から2010年にかけて、中間赤外線源は殆どなくなったものと考えられる。 2010年以降のWISEとハーシェルの観測結果から、星周塵の状態を推定すると、塵の温度は120-250K程度、中心星からの距離はおよそ2AU、恒星の光を吸収して赤外線で再放射する強度は恒星光度のおよそ0.1%と、2008年までとは全く異なる結果となった。 WISEの短い波長での観測結果や、全天自動サーベイによる監視の結果からすると、この間に恒星の明るさが変わったわけではなく、円盤が何かに掩蔽されたとは考えられない。そのため、円盤は実際に消失してしまった可能性が高いが、円盤が消える仕組みについては、以下に述べるように幾つか仮説が立てられているものの、十分な説明はなされていない。
※この「円盤消失」の解説は、「TYC 8241 2652 1」の解説の一部です。
「円盤消失」を含む「TYC 8241 2652 1」の記事については、「TYC 8241 2652 1」の概要を参照ください。
- 円盤消失のページへのリンク