内村に対する刑事罰について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/05 20:21 UTC 版)
「天下一家の会事件」の記事における「内村に対する刑事罰について」の解説
内村については、前述したように脱税で有罪判決が確定しているが、詐欺罪、出資法違反のいずれについても罪に問われていない。 先ず、詐欺罪が成立するためには、欺罔(だますこと)の故意が必要である。ネズミ講の場合、会員が努力してネズミ講を順調に行なうことができれば多額の収入を得られること自体は事実であり、結果的に損をしても欺罔の故意には該当しないと考えられる。 また、出資法には、次のような趣旨の規定がある。 不特定多数の者に対して、後日出資の払い戻しとして出資金以上の金銭を支払うべき旨を明示して(または暗黙のうちに示して)、出資金を受け入れてはならない。 法律に特別の規定のある者以外は、業として預かり金(不特定多数のものからの金銭の受入れ)をしてはならない。 このため、熊本地検は大蔵省と共に会の入会金の性質を検討してみたものの、出資金の返還を約束しているのではなく子会員からの送金で得られることから出資金・預り金として捉えることは困難であるとし、出資法違反での立件を断念した。 なお、内村逮捕の7年後である1978年に無限連鎖講の防止に関する法律が制定されたものの、憲法の遡及処罰禁止規定(39条前段)により、同法施行前の事件である天下一家の会には適用されない。
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