内密出産受け入れ開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 00:50 UTC 版)
「赤ちゃんポスト」の記事における「内密出産受け入れ開始」の解説
前述の事件から5年後の2019年12月7日、慈恵病院の蓮田健副院長は記者会見を開き、同病院で匿名妊婦を受け入れ、事実上の内密出産をただちに実施すると表明した。費用は病院が負担し、あくまでも緊急避難として「子供の遺棄や殺人、母子の命にかかわる自宅などでの孤立出産を防ぐための取り組み」として開始する。日本国内では内密出産の法整備は進んでいないが、蓮田健副院長は「事例を重ねないと法整備は進まないので腹をくくって始める」と語った。 同様の事件が今後も起こり得ることを憂慮した慈恵病院では熊本市と協議を進めてきたが進展しないため、独自に実施に踏み切った。熊本地方法務局は内密出産に基づく戸籍の記載は「現行法の解釈で可能」との見解を示している。子どもの権利条約が掲げる「出自を知る権利」との兼ね合いも問題視する意見もあったが、慈恵病院の蓮田太二理事長兼院長は、子供の生きる権利が最も重要で優先されるべきとして「ところが皆さんはすぐに『出自を知る権利』と言われるのです」と述べている。 なお、匿名出産受け入れ決定前の2019年10月時点で、「こうのとりのゆりかご」にかかる運営経費は年間約2千万円で、寄付金以外はほぼ慈恵病院が負担している。
※この「内密出産受け入れ開始」の解説は、「赤ちゃんポスト」の解説の一部です。
「内密出産受け入れ開始」を含む「赤ちゃんポスト」の記事については、「赤ちゃんポスト」の概要を参照ください。
- 内密出産受け入れ開始のページへのリンク