公共貨幣システムへの移行の手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 14:20 UTC 版)
「公共貨幣」の記事における「公共貨幣システムへの移行の手順」の解説
債務貨幣システムから公共貨幣システムへの移行のプロセスは、各国の経済状態によって異なるが、『公共貨幣』(山口)に準じて、日本の場合のプロセスを想定する。 (1)政府は、日銀のジャスダック上場を廃止し、国家機関に組み入れ、公共貨幣庫と名称変更をする。 (2)政府は、国債発行残高に相当する公共貨幣(約1,000兆円)を発行し、それを公共貨幣庫に預け入れ、その見返りとして政府預金(約1,000兆円)を用意する。 (3)政府は、公共貨幣を使って、公共貨幣庫(旧日銀)が保有する国債(約500兆円)を前倒しで償還する。 (4)政府は、公共貨幣を使って、市中が保有する国債(約500兆円)を償還期日に順次償還する(保有者の希望があれば前倒し償還も可)。この結果、市中銀行が公共貨幣庫に保有する準備預金が要求払預金(市中銀行の負債)を上回り、預金準備率100%が実現する。 (5)市中に流通している日銀券(発行銀行券)は、順次、公共貨幣(紙幣)に置き換える。①市中から還流した日銀券は、再度流通に回されることなく、すべて廃棄する。②民間が市中銀行に対して預金の現金化要求をし、銀行が準備預金から現金を引き出すときには、公共貨幣(紙幣・硬貨)を流通させる。 以上で、債務貨幣システムから公共貨幣システムへの移行が完了する。このプロセスをとおして、流通貨幣量(マネーストック)は変動しない。ただし、政府は、この期間においても必要に応じて追加の公共貨幣発行により政府預金を用意して、流通貨幣量(マネーストック)に影響を与えることができる。
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