全日空アカシア便ハイジャック事件とは? わかりやすく解説

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全日空アカシア便ハイジャック事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/02 13:34 UTC 版)

全日空アカシア便ハイジャック事件
全日空のボーイング727
場所 日本航空自衛隊浜松基地
標的 全日本空輸175便
(アカシア便)
(ボーイング727-81、機体記号:JA8305[1]
日付 1970年昭和45年)8月19日
概要 ハイジャック事件
犯人 モデルガンを持った24歳の男
容疑 航空機の強取等の処罰に関する法律違反
動機 駆け落ちや心中の失敗によって人生を悲観した
対処 犯人がハッチを開けた瞬間に静岡県警が突入し逮捕
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全日空アカシア便ハイジャック事件(ぜんにっくうアカシアびんハイジャックじけん)は、1970年に発生したハイジャック事件である。

なおこの事件は「よど号ハイジャック事件」を機に施行された「航空機の強取等の処罰に関する法律(ハイジャック防止法)」が初めて適用された事件でもある。

事件の概要

1970年8月19日小牧空港(名古屋)発千歳空港(札幌)行きの全日本空輸175便「アカシア便」[2]ボーイング727)が離陸後、操縦室に乱入したピストルを持った男(当時24歳)によりハイジャックされた。

「アカシア便」は犯人の要求通りに航空自衛隊浜松基地に緊急着陸した。犯人は望遠スコープ付きのライフルと弾丸100発、そしてガソリン入りポリタンク2つを要求した。また乗員乗客89名のうち57名は解放したが、残りの乗客を乗せたまま離陸するように要求した。この間に機長は隙を見て犯人のピストルは玩具であることを機外に知らせ、犯人に対しては残された乗客に妊婦がいると偽って交渉した。機長が「妊婦を下ろす」と書いたメモを機外に落とし、それを読んだ警察は犯人がハッチをあけた瞬間に突入し取り押さえた。

なお犯人の動機であるが妻の妹と駆け落ちして心中を図るも未遂に終わり、その彼女とも音信不通になったことから人生に悲観し、ハイジャックをすれば警官と銃撃戦になり射殺され楽に死ねると考えたからというものであった。

1972年4月28日、静岡地方裁判所(岡本二郎裁判長)は「航空機の強取等の処罰に関する法律(ハイジャック防止法)」を初めて適用し第1条第1項に当たるとして懲役7年(求刑懲役13年)を言い渡した。[3]1972年12月12日、東京高等裁判所(横川敏雄裁判長)は一審判決を支持し控訴を棄却した[4]

脚注

  1. ^ Accident description All Nippon Airways Flight 175”. 2020年4月25日閲覧。
  2. ^ 当時小牧-千歳線はアカシア便という愛称が付けられていた。
  3. ^ 朝日新聞1972年4月28日夕刊、3版、10面
  4. ^ 朝日新聞1972年12月12日夕刊、3版、10面

関連項目


全日空アカシア便ハイジャック事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 07:31 UTC 版)

全日本空輸ハイジャック事件」の記事における「全日空アカシア便ハイジャック事件」の解説

1970年8月19日名古屋千歳行きとして運航されていた全日空175便「アカシア便」ボーイング727型機が、人質交換武器受け取り警備隊銃撃されたいという動機をもった自殺志願青年ハイジャックされた。犯人航空自衛隊浜松基地緊急着陸させた後、人質解放の際に突入した警察官取り押さえられた。よど号ハイジャック事件機に施行されハイジャック防止法初め適用され事件でもある。 詳細は「全日空アカシア便ハイジャック事件」を参照

※この「全日空アカシア便ハイジャック事件」の解説は、「全日本空輸ハイジャック事件」の解説の一部です。
「全日空アカシア便ハイジャック事件」を含む「全日本空輸ハイジャック事件」の記事については、「全日本空輸ハイジャック事件」の概要を参照ください。

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