免疫系における作用機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/27 07:53 UTC 版)
「カルシニューリン」の記事における「免疫系における作用機構」の解説
抗原提示細胞がT細胞上のT細胞受容体に結合すると、細胞質のカルシウム濃度が上昇し、カルシウムがカルシニューリンの調節サブユニットに結合し活性化する。活性化されたカルシニューリンは活性化T細胞核内因子(Nuclear factor of activated T-cells、NF-AT)と呼ばれる複数の転写因子を脱リン酸化することにより核内に移動させる。NF-ATはインターロイキン-2(IL-2)の発現を誘導する。IL-2はヘルパーT細胞を活性化して他のサイトカインの産生を促進し、また細胞傷害性T細胞とNK細胞の機能を促進する。カルシニューリンは免疫抑制剤のうちシクロスポリン、タクロリムスなどの、カルシニューリン阻害剤と総称される薬物の標的となる。これらの阻害剤は直接の標的タンパク質(イムノフィリン)とまず結合し、このタンパク質複合体がカルシニューリンに結合してこれを阻害する。
※この「免疫系における作用機構」の解説は、「カルシニューリン」の解説の一部です。
「免疫系における作用機構」を含む「カルシニューリン」の記事については、「カルシニューリン」の概要を参照ください。
- 免疫系における作用機構のページへのリンク