例と導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/06 00:21 UTC 版)
二変数函数 f を f(x, y) = x2 + y2 − 1 と定めると、単位円をその等高線 f(x, y) = 0 として表すことができる。ところが各 −1 < x < 1 に対して y は相異なる二つの値(具体的には ±√1 − x2)をとるので、単位円の全体を一変数函数 y = g(x) のグラフとして表すことはできない。 しかしながら、単位円の一部であれば一変数函数のグラフとして表すことができることがある。たとえば g + ( x ) = + 1 − x 2 ( − 1 < x < 1 ) {\displaystyle g_{+}(x)=+{\sqrt {1-x^{2}}}\qquad (-1<x<1)} とすれば、y = g+(x) のグラフは単位円の上半分と一致する。同様に g − ( x ) = − 1 − x 2 ( − 1 < x < 1 ) {\displaystyle g_{-}(x)=-{\sqrt {1-x^{2}}}\qquad (-1<x<1)} とすれば、y = g−(x) のグラフは単位円の下半分と一致する。 単位円に対する g±(x) のような陰函数が存在し、かつ十分に滑らかであることを、明示的な式を書き下せない状況下でさえ保証する一般的な命題が陰函数定理である。
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