作曲の経緯と作品の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 19:11 UTC 版)
「イタリアのトルコ人」の記事における「作曲の経緯と作品の特徴」の解説
ロッシーニは以前に『アルジェのイタリア女』でイタリア女性を主人公にしたナンセンスかつコミカルなオペラ・ブッファを作曲し、大成功を収めていたが、今度はトルコ男の視点からオペラ・ブッファを書こうと決意していた。 しかし、この作品は『アルジェのイタリア女』とは異なり、詩人というドラマの進行役を中心に、トルコ男に恋する浮気な女性と、その女性を囲む男性たちとの間での仮面舞踏会によるアイデンティティー喪失状態で起きる愛の悲喜劇を描くという哲学的な台本で構成されている。このロマーニの台本は、詩人という物語進行役をそろえることで、メタオペラ的な台本に仕上がっていることは前衛的な試みとも言えよう。 しかし、このような構成の大きな違いにもかかわらず、初演時は『アルジェのイタリア女』の二番煎じではないかという理由から正当な評価を受けなかったとされ、この作品の真価が認められるようになるのは1970年代のことである。
※この「作曲の経緯と作品の特徴」の解説は、「イタリアのトルコ人」の解説の一部です。
「作曲の経緯と作品の特徴」を含む「イタリアのトルコ人」の記事については、「イタリアのトルコ人」の概要を参照ください。
- 作曲の経緯と作品の特徴のページへのリンク