佐野海舟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/11 01:23 UTC 版)
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名前 | ||||||
本名 | 佐野 海舟 | |||||
愛称 | カイシュウ | |||||
カタカナ | サノ カイシュウ | |||||
ラテン文字 | SANO Kaishu | |||||
基本情報 | ||||||
国籍 | ![]() |
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生年月日 | 2000年12月30日(24歳) | |||||
出身地 | 岡山県津山市 | |||||
身長 | 176cm | |||||
体重 | 67kg | |||||
選手情報 | ||||||
在籍チーム | ![]() |
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ポジション | MF | |||||
背番号 | 6 | |||||
利き足 | 右足 | |||||
ユース | ||||||
2007-2012 | ![]() |
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2013-2015 | ![]() |
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2016-2018 | ![]() |
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クラブ1 | ||||||
年 | クラブ | 出場 | (得点) | |||
2019-2022 | ![]() |
116 | (8) | |||
2023-2024 | ![]() |
47 | (1) | |||
2024- | ![]() |
34 | (0) | |||
代表歴2 | ||||||
2023- | ![]() |
4 | (0) | |||
1. 国内リーグ戦に限る。2025年5月20日現在。 2. 2024年1月14日現在。 ■テンプレート(■ノート ■解説)■サッカー選手pj |
佐野 海舟(さの かいしゅう、2000年12月30日 - )は、プロサッカー選手。ブンデスリーガ・1.FSVマインツ05所属。ポジションはミッドフィールダー(MF)。日本代表。
岡山県津山市出身。実弟の佐野航大はプロサッカー選手(エールディヴィジ・NECナイメヘン所属)で同じく日本代表[1]。
来歴
プロ入り前
FCヴィパルテを経て米子北高等学校へ進学。1年次からレギュラーを確保し、3年連続で全国高校総体と全国高校サッカー選手権に出場した[2]。
FC町田ゼルビア
2019年より、FC町田ゼルビアへ加入した[3]。5月5日、J2第12節の水戸ホーリーホック戦で途中出場からプロデビューを果たした[4]。2020年9月6日、J2第17節のFC琉球戦でプロ初ゴールを決めた[5]。
2022年、90分平均のボール奪取回数でJ2リーグ1位の20回を記録した[6]。
鹿島アントラーズ
2023年、鹿島アントラーズへ完全移籍をした[7]。加入後からすぐにレギュラーの座を掴むと、シーズン通してリーグ戦27試合に出場。JPFAアワードJ1ベストイレブンを受賞した[8]。またシーズン終了後には、ドイツ1部のヴェルダー・ブレーメンからオファーを受けたが、残留した[9][10]。
2024年も引き続きボランチのレギュラーとして7月までに20試合に出場した。
1.FSVマインツ05
2024年7月3日、ブンデスリーガの1.FSVマインツ05に完全移籍することが発表された[11]。8月1日にチームに合流[12]。1年目から主力として34試合に出場。昨シーズン残留争いしていたチームだったが、欧州コンペティション出場権を争うリーグ6位で終えた。また佐野は、394kmというリーグトップの走行距離を記録し、デュエル勝利数は209回でリーグ最多、空中戦の勝利は162回で3位、インターセプト65回で最多、スプリント764回で最多、ドリブル32回で最多タイ、さらにトップスピード34.42km/hは3位と海外挑戦1年目ながら活躍した[13]。
日本代表
2023年11月13日、2026 FIFAワールドカップ・アジア2次予選に参加する日本代表に、怪我のため辞退した伊藤敦樹の代替選手として追加招集された。世代別代表も含め、日本代表初招集となる[14][15]。11月16日のミャンマー戦(パナソニックスタジアム吹田)で代表初出場を果たした[16]。
2024年1月1日、AFCアジアカップ2023に臨む日本代表に選出された。後述により8月29日発表で落選した[17]。2025年5月23日、2026 FIFAワールドカップ・アジア3次予選の残り2試合に臨む日本代表メンバーに復帰。
不祥事
2024年7月17日、不同意性交容疑で警視庁本富士警察署に逮捕された。知人の20代の男2人と共謀し、東京都文京区湯島のホテルで30代女性に性的暴行を加えた疑いで勾留された。その後釈放され、不起訴処分となった[18][19]。
当該容疑により約1年間代表から遠ざかったが、クラブの活躍が認められて2025年6月5日、同月10日に行われる2026FIFAワールドカップ・アジア3次予選のメンバーに選ばれ、日本代表に復帰[20]。会見で監督の森保一は、「彼のことをこれまで見てきましたが、私自身もコンタクトを取り、深く反省していると強く感じた」、「チームの一員を家族と考えたときに、指導者としてひとりの選手と向き合うなかで、ミスを犯した選手をそのまま社会から葬り去るのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族として与えることのほうがいいのでは、ということで判断しました」と話した[21]。佐野は「ここから大事だと思っている。本当に実力の高い選手がたくさん集まっている中で、自分も存在感を高めて行かないといけない」などと話した[22]。佐野も28日に会見を開き、自身の口から直接謝罪した[23]。また、弟の佐野航大も同時に招集された。
人物・エピソード
- 海舟という名前は、父が好きだという勝海舟に由来する[24]。
- 理想はエンゴロ・カンテ。日本だと遠藤航や守田英正[25]。
- 子供の頃は下駄で走っていた。そのため足裏の皮がかたく、指が長い[26]。
- 海外クラブ移籍となったドイツのマインツは、元々は鹿島アントラーズのフォワード選手調査のため資料のビデオを閲覧したとき、たまたま映っていた佐野海舟に目が留まった。金の卵を見つけたマインツは、以降は佐野に調査を切り替え獲得に至った[27]。
- 2026FIFAワールドカップアジア最終予選のメンバーに兄弟揃って招集された。これは、19年ぶりのことだった[28]。
プレースタイル
主に守備的ミッドフィールダーで起用されているが、左右のサイドバックやセンターバックで起用されることもある。マインツ所属時にもセンターバックで起用された[29]。
ボール奪取に優れている[30]。タックルを仕掛けてインターセプトでボールを奪い切り、そのまま攻撃へと繋げる。危機察知能力の高さやフィジカルの強さに定評があり、相手のチャンスの芽を摘み取り、ボールを繋げる能力も高い。このように、ボールを回収してそのまま運んでいく一連の流れが、名前(海舟)にかけて俗に「佐野回収」といわれることもある[31]。
ダブルタッチで相手を交わしてゴールを決めること[32]や高い位置でのインターセプトでゴールに繋げること[33]もできる。
非常に運動量豊富な選手のためダイナモと呼ばれている[34]。
所属クラブ
- 2007年 - 2012年 FCヴィパルテU-12(津山市立鶴山小学校)
- 2013年 - 2015年 FCヴィパルテU-15(津山市立中道中学校)
- 2016年 - 2018年 米子北高等学校
- 2019年 - 2022年
FC町田ゼルビア
- 2023年 - 2024年7月
鹿島アントラーズ
- 2024年7月 -
1.FSVマインツ05
個人成績
国内大会個人成績 | |||||||||||
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年度 | クラブ | 背番号 | リーグ | リーグ戦 | リーグ杯 | オープン杯 | 期間通算 | ||||
出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||||
日本 | リーグ戦 | リーグ杯 | 天皇杯 | 期間通算 | |||||||
2019 | 町田 | 25 | J2 | 21 | 0 | - | 1 | 0 | 22 | 0 | |
2020 | 41 | 1 | - | - | 41 | 1 | |||||
2021 | 6 | 34 | 6 | - | 1 | 0 | 35 | 6 | |||
2022 | 20 | 1 | - | 1 | 0 | 21 | 1 | ||||
2023 | 鹿島 | 25 | J1 | 27 | 1 | 7 | 0 | 1 | 0 | 35 | 1 |
2024 | 20 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 23 | 0 | |||
ドイツ | リーグ戦 | リーグ杯 | DFBポカール | 期間通算 | |||||||
2024-25 | マインツ | 6 | ブンデス | 34 | 0 | - | 2 | 0 | 36 | 0 | |
通算 | 日本 | J1 | 47 | 1 | 9 | 0 | 2 | 0 | 58 | 1 | |
日本 | J2 | 116 | 8 | - | 3 | 0 | 119 | 8 | |||
ドイツ | ブンデス | 34 | 0 | - | 2 | 0 | 36 | 0 | |||
総通算 | 197 | 9 | 9 | 0 | 7 | 0 | 213 | 9 |
タイトル
個人
- JPFAアワード ベストイレブン:2023年
代表歴
出場大会
- A代表初出場 - 2023年11月16日 2026 FIFAワールドカップ・アジア2次予選 対ミャンマー(パナソニックスタジアム吹田)
- 日本代表
- 2023年 - 2026 FIFAワールドカップ・アジア2次予選
- 2024年 - AFCアジアカップ2023
- 2025年 - 2026 FIFAワールドカップ・アジア3次予選
試合数
- 国際Aマッチ 6試合 0得点(2023年 - )
日本代表 | 国際Aマッチ | |
---|---|---|
年 | 出場 | 得点 |
2023 | 1 | 0 |
2024 | 3 | 0 |
2025 | 2 | 0 |
通算 | 6 | 0 |
出場
No. | 開催日 | 開催都市 | スタジアム | 対戦相手 | 結果 | 監督 | 大会 |
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1. | 2023年11月16日 | ![]() |
市立吹田サッカースタジアム | ![]() |
○5-0 | 森保一 | 2026 FIFAワールドカップ・アジア2次予選 |
2. | 2024年1月1日 | ![]() |
国立競技場 | ![]() |
○5-0 | TOYO TIRES CUP 2024 | |
3. | 2024年1月14日 | ![]() |
アル・トゥマーマ・スタジアム | ![]() |
○4-2 | AFCアジアカップ2023 | |
4. | 2024年1月24日 | ![]() |
○3-1 | ||||
5. | 2025年6月5日 | ![]() |
パース・スタジアム | ![]() |
●0-1 | 2026 FIFAワールドカップ・アジア3次予選 |
脚注
出典
- ^ “兄とJで戦う夢実現へ。米子北高MF佐野航大が岡山内定!”. ゲキサカ. (2021年10月13日) 2021年12月11日閲覧。
{{cite news}}
:|accessdate=
、|date=
の日付が不正です。 (説明)⚠ - ^ 伊藤亮 (2018年12月31日). “3年連続選手権出場の米子北MF佐野海舟の誓い「自分が先頭に…」”. ゲキサカ 2019年3月24日閲覧。
- ^ 『佐野海舟選手 加入のお知らせ』(プレスリリース)FC町田ゼルビア、2019年1月5日 。2019年3月24日閲覧。
- ^ “相馬監督の下でSBに挑戦中、「デビューは通過点」町田の高卒ルーキー佐野海舟がJデビュー”. ゲキサカ. 2019年5月6日閲覧。
- ^ “佐野海舟プロ初弾&安藤瑞季2ゴール!! 町田が“奇策”琉球を寄せ付けず2季ぶり4連勝”. ゲキサカ. 2021年8月17日閲覧。
- ^ “Playing Style”. 2022年10月25日閲覧。
- ^ 『佐野 海舟選手 完全移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)鹿島アントラーズ、2022年12月21日。オリジナルの2022年12月24日時点におけるアーカイブ 。2022年12月21日閲覧。
- ^ TIMES編集部, ABEMA (2024年1月1日). “『現役選手が選ぶ2023年のJ1ベストイレブン&最優秀選手』が決定!「ハンパない活躍」でMVPの大迫勇也ら優勝ヴィッセル勢が最多4人、成長株の毎熊晟矢や細谷真大などが初受賞 | サッカー | ABEMA TIMES | アベマタイムズ”. ABEMA TIMES. 2024年6月30日閲覧。
- ^ “佐野海舟にドイツ1部・ブレーメンが正式オファー‥複数の欧州クラブが興味”. スポーツ報知 (2024年1月20日). 2024年6月30日閲覧。
- ^ Shota (2024年1月28日). “佐野海舟、ブレーメン移籍消滅?鹿島の移籍金0.8億円オファー拒否が原因か”. Football Tribe Japan. 2024年6月30日閲覧。
- ^ “1. FSV Mainz 05 - Kaishu Sano wird Mainzer” (ドイツ語). 1. FSV Mainz 05. 2024年7月3日閲覧。
- ^ “佐野海舟がマインツのキャンプに合流!クラブがプレー写真と共に報告「カイシュウが到着した」 | Goal.com 日本”. www.goal.com (2024年8月1日). 2024年8月30日閲覧。
- ^ 佐野海舟が“今夏のマインツの目玉”? 移籍噂のなさを不思議がる現地誌「市場価値が移籍金の10倍を超えていてもおかしくないのに…」GOAL.com 2025年5月26日
- ^ “サッカー日本代表、鹿島MF佐野海舟が初招集! 浦和MF伊藤敦樹は負傷で不参加”. スポーツ報知 (2023年11月13日). 2023年11月13日閲覧。
- ^ “日本代表追加招集のお知らせ | 鹿島アントラーズ オフィシャルサイト”. 鹿島アントラーズ オフィシャルサイト | KASHIMA ANTLERS. 2023年11月13日閲覧。
- ^ “【日本代表】MF佐野海舟が代表デビュー「彼の良さは随所に出してくれた」森保監督も高評価”. 日刊スポーツ (2023年11月16日). 2023年11月17日閲覧。
- ^ “W杯最終予選、日本代表を発表、MF佐野海舟は落選、7月に不同意性交の疑いで逮捕されるも不起訴処分”. 中日スポーツ. (2024年8月29日) 2024年10月18日閲覧。
- ^ “【日本代表】佐野海舟が初の謝罪会見「賛否もちろん…行動で」昨夏逮捕、勾留期間中に引退も覚悟”. 2025年5月28日閲覧。
- ^ “代表復帰の佐野、社会貢献を継続 昨年逮捕後に不起訴、謝罪や反省”. 2025年5月28日閲覧。
- ^ “サッカー日本代表の最新メンバーが発表! 佐野海舟や渡辺剛らが復帰! 初招集は佐野航大ら7名に(フットボールチャンネル)”. Yahoo!ニュース. 2025年5月23日閲覧。
- ^ 日本代表メンバーに異変「森保監督が“個人的な思い”を語った」佐野海舟の招集だけじゃない“論点”…「驚きの選出」18歳・佐藤龍之介とは何者か?Number 2025年5月27日
- ^ “【日本代表】佐野海舟が初の謝罪会見「賛否もちろん…行動で」昨夏逮捕、勾留期間中に引退も覚悟”. 2025年5月28日閲覧。
- ^ 【日本代表】佐野海舟が初の謝罪会見「賛否もちろん…行動で」昨夏逮捕、勾留期間中に引退も覚悟日刊スポーツ 2025年5月28日
- ^ “米子北から高卒Jリーガーは昌子ら以来…“回収屋”MF佐野海舟「1年目から試合に」”. ゲキサカ (2019年1月17日). 2023年11月14日閲覧。
- ^ “佐野海舟が鹿島アントラーズにもたらす中盤の分厚さ。誰しも目指すサッカー日本代表へ【コラム】”. フットボールチャンネル (2023年2月26日). 2023年11月14日閲覧。
- ^ “「足裏がゴツい、指が長い」“下駄”で走り回っていた佐野海舟(22歳)ビックリ幼少時代…森保ジャパン新戦力“驚異的な回収力”のナゾ(安藤隆人)”. Number Web - ナンバー. 2024年5月15日閲覧。
- ^ “マインツの佐野海舟獲得は偶然の産物? クラブ幹部「ある代理人が別のフォワードを推してきていた」”. Magazine gateザ・ワールド (2025年5月22日). 2025年5月27日閲覧。
- ^ “佐野兄弟、海舟&航大がダブル選出! 兄・海舟は約1年4カ月ぶり復帰 弟・航大はA代表初招集 - スポニチ Sponichi Annex サッカー”. スポニチ Sponichi Annex. 2025年5月25日閲覧。
- ^ TIMES編集部, ABEMA (2024年10月21日). “「優秀すぎんか」佐野海舟、センターバック起用で万能ぶりアピール!「どこでもできるな」超高速プレスでボール回収の瞬間 | ブンデスリーガ | ABEMA TIMES | アベマタイムズ”. ABEMA TIMES. 2024年10月25日閲覧。
- ^ (日本語) 【佐野海舟の回収】ボール奪取から持ち運びをピックアップ(切り抜き) 2023年11月13日閲覧。
- ^ “「今季のJ1で一番の衝撃」鹿島MF佐野海舟の“ボール奪取から持ち運び”にファン喝采!「マジでチート」 | サッカーダイジェストWeb”. www.soccerdigestweb.com. 2023年11月13日閲覧。
- ^ Jリーグ公式チャンネル (2023-09-04), 【佐野海舟のドリブル】 相手DFを背負いながらダブルタッチでかわす巧みなドリブルを披露! 2024年5月15日閲覧。
- ^ 鹿島アントラーズ 公式チャンネル Kashima Antlers Official (2024-05-15), 【5/15 広島戦】海舟、回収から無双!最後は、チャッキー!#鹿島アントラーズ #佐野海舟 #チャヴリッチ #shorts 2024年5月15日閲覧。
- ^ “欧州移籍決定的な鹿島のダイナモへメッセージ多数「ジーコスピリッツを胸に頑張ってこい」”. スポーツブル (スポブル). 2024年7月3日閲覧。
関連項目
外部リンク
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